要介護者は、ひとそれぞれに性格に違いが存在する。介護サービスを提供しているスタッフは、要介護者の性格に応じた対応が必要である。よくあるのは、気難しい性格の傾向がある要介護者である。そのような人は、簡単には心を開いてくれない。そのため時には、介護の業務が滞ることもある。こうした人物に対して、若手の介護スタッフは手こずる場合が多い。そこで、ベテランの中高年介護士が、対応を行える。多くの介護経験を持つベテランは、多様な人に対応して介護サービスを提供する実力を持つ。気難しい要介護者であったとしても、コミュニケーションを取るコツを心得ている。当初は、介護スタッフに対してかたくなに抵抗感を持っていた要介護者も、中高年のベテラン介護スタッフが接しているうちに、自然と心を開いてくれる。こうしたベテランのコミュニケーション術は、若手介護士にとって大変勉強になる。相手との上手な接し方を身につけられたなら、介護の仕事ははかどる。高齢な要介護者と若手スタッフは、大きく年齢差も開いているだけに、どのようにコミュニケーションを取ればいいのか分からない。その課題を克服するヒントが、ベテラン介護スタッフの働く姿に見つかる。もし、中高年の介護士と共に仕事をする機会があったなら、どのように気難しい要介護者と接しているのかについて、その行動をよく観察してみるのがいい。そこに、介護スタッフとして成長するためのヒントが隠されている。